大事な友だちが子宮頚がんで亡くなって一年と少し経ちました。全然悲しみは消えないけれど、少しずつ気持ちは落ち着いてきました。
でも時々ふっと浮かぶ「もう会えないんだな」という気持ち。大事な人を亡くした人は、こういう気持ち、多かれ少なかれあると思います。
彼女と過ごしたのは大学生のとき。同じ大学に通っていたものの、学部も違うし、住んでいるところも違うので、バイトが同じで知り合いました。ちなみにバイト先はパン屋さん。食いしん坊の二人です。
全く違う性格で、せっかち、ケチで、行き当たりばったりでやっつける私に対して、彼女はおっとりしてて、人当たりが良く、丁寧で親切で、
「こんな子いるんだ! 」
と感動したことを覚えています。
いやもちろん、短所もあるのでしょうけど、少なくとも私にはいいところしか見えず大好きでした。嫉妬?いやあまりに、違いすぎて全然…
お互いにバイトのとき以外は、学内であっても簡単な挨拶程度(おしゃべりはバイト中に死ぬほどしてるので)、趣味が違うので買い物もいかないし、遊びにもいかないんだけど、とにかく一緒にいて、楽な相手でした。
おまけに好みのパンが違うので、余り物のパンを奪い合うこともなく(余りのロスパンは格安で買えたのです)、
お互い食べに食べて、ブクブク太ってました。
そして、最近Mちゃんを思い出すことが増えました。
今消毒スプレーがなかなか手に入りにくいので、たまたま業務用のアルコール消毒のアルペットを購入しました。アルペット、ご存知でしょうか?
バイト先ではアルペットは一斗缶に入ってて、販売カウンターの消毒としてスプレー容器に入れてたくさん使ってました。
なくなったらその日のバイトの人が詰め替えていたんですが、この一斗缶がなかなか重くて。力持ちのパン職人さんに手伝ってもらったりして、
当時はめちゃくちゃ楽しく仕事し てたんですね
今、アルペットを使う度に、
当時のMちゃんとの空気がばーっと、よみがえり、彼女のセリフやそのときの気楽さや、悩み、色々もう胸がつぶれそうになったんです。
それはもう会えないから。
まだ生きてれば、LINEでMちゃんに
「久しぶりにアルペット買ったよー」
「えー、懐かしい!まさかの一斗缶?」
とかメッセージ送りあって、二人して当時を懐かしめたと思うんです。
でも、今はそれがかなわな い。
ありきたりですが彼女の分もしっかり、生きようと噛みしめて、浸かったアルペットを棚に戻します。
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